太郎の理念
なによりも利用者(クライアント)の皆様の尊厳を考えます。
認知症などで徘徊したり、療養の妨げとなるような行為をしてしまう利用者さんに対しても、「太郎」では利用者さんをベッドや車椅子に縛る、いわゆる抑制(身体拘束)は 一切行いません。
個別性を尊重したケアを実施します。
ご利用者ひとりひとりのからだとこころの状態やご希望、目標を十分に把握し、その方の個性を尊重した、きめこまやかなケアを提供します。
よりよい療養環境をこころがけます。
安心した療養生活を送っていただけるよう、落ち着いた生活空間と人員の配置を行います。また、利用者の皆様に きちんとした対応ができるよう、スタッフひとりひとりに心と技術のトレーニングをおこないます。
クオリティライフ(QOL)を念頭においたケアを実践します。
利用者の皆様やそのご家族ときちんと話しあい、一方的ではない信頼と納得のいただけるケアを提供し、利用者の皆様ひとりひとりに合ったクオリティオブライフの向上を考えて いきます。
5つの基本的ケア
私たちは「5つの基本的ケア」を大切にしています。
私たちは、現場で抑制廃止の方法、工夫を模索しました。そして、まず抑制が必要となるかもしれない状態、治療の機会を減らすことが重要であることに気付きました。そのために、五つの基本的なケアに焦点を定めて徹底して行うことから始めました。
わかりやすい例でいうと、例えば、自分の周囲を大便で汚してしまう不潔行為と呼ばれる問題症状があります。認知症老人は、便をおむつの中にして、不快で気持ち悪くなると、おむつの中に手を入れてしまいます。そして、便が手についてしまう。すると、また何だか変なので、自分の周囲のもので手を拭いたりしてしまう。これが、不潔な問題症状、周囲への迷惑行為だと、抑制される原因になってしまう訳です。
でも、この問題症状は、排泄のケアが適切に行われれば防げるものなのです。
具体的には、図のような5つの基本的なケアが大切です。
良い姿勢で、椅子に座り、両足をつけていると、重力が垂直にかかり覚醒刺激を促します。物音がすれば、目と耳で、周囲に起きている事を確認することもでき、寝たきりで、天井を見つづけている時とは全く異なる世界となります。
食べ物を口に入れて噛んで、飲み込むというのが人間が生きていくための基本です。味や形にも工夫をして、食事そのものに、ずっと時間をかけて経口摂取を続けていけば、脱水予防にもなります。栄養状態が良ければ、感染も予防できるし、衰弱することもありません。
食べること、出すこと、排泄は生きていく上で欠かすことのできない行為です。このケアーも、人間の尊厳を守るためには、丁寧に、なるべくトイレで行う必要がありますが、どうしてもおむつを使うことになったら出来る限りの随時交換が望まれます。汚れたおむつを付けていることほど、不快なことはないからです。さらにその不快さを訴えられなかったり、無視されるとしたら、生きているのも嫌になるほどの惨めな思いをするはずです。
清潔を保つことは、本人の快適さばかりでなく、合併症の予防にもなります。それから不潔な状態におかれると、痒みなどの不快さから、いらいらや、不眠を生じ、大声や乱暴といった問題症状に発展することも多いのです。
良い刺激のことです。寝巻を着替え、車椅子に乗り、食堂に出ていき、コミュニケーションを行うことです。ことばやあるいは雰囲気でコミュニケーションするわけですが、それは心地よい内容で、穏やかで、丁寧な表現がベターです。注意とか、指示的なことは避けなければなりません。音楽とか、他の楽しみも大切です。
➡ 身体拘束ゼロ
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